【再構築点】事業再構築補助金 審査項目の解釈・ポイント

事業再構築補助金 審査項目の解説 再構築点

【再構築点】事業再構築補助金の審査項目を認定経営革新等支援機関の中小企業診断士が解説しました。審査項目の解釈やポイントをご覧になれます。このページは再構築点①~④を掲載しています。

再構築点の解説

再構築点①

①事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。

事業再構築補助金 公募要領(第3回)1.1版

審査項目の解釈・ポイント
  • 事業再構築指針に沿っていないと評価されると、その時点で不採択になる可能性が高いです。事業計画書では、審査員に事業再構築指針の要件を満たしていることが伝わるように示す必要があります。
  • 「全く異なる業種への転換など」という表現から、事業再構築の類型のなかでも主たる事業が変わる業種転換が有利になる印象があります。しかし、特定の類型が採択に有利にならないことが明言されています。※1
  • 「リスクの高い」の評価ポイントとして、売上高10%要件・売上高構成比要件が採点ポイントの一つになる可能性があります。売上高10%要件では、「10%は最低ラインであり割合が大きくなるほど高く評価される可能性がある」と事業再構築指針の手引きに明記されています※2
  • 新分野展開・業態転換において新製品等の売上が10%を大きく超える、事業転換・業種転換において新たな産業分類の売上構成比の比率が過半を大きく超える計画ということは、現状からの変化が大きい分だけリスクも高いと考える余地があります。
  • リスクの高い事業になるほど、事業計画には高い説得力が求められます。過度に審査を意識して実現可能性が低い計画を策定するのは本末転倒です。無理がある事業計画は不採択のリスクが高まるでしょう。
  • 「思い切った大胆な事業の再構築」は、「(自社の強みを活かせる)大胆な事業の再構築」が求められていると考えられます。他の審査項目である、事業化点④や再構築点③では、自社の強みを踏まえることが求められているからです。現在の自社の強みを無視するほど「大胆」な取組みは評価されにくいでしょう。

※1 よくあるご質問【事業再構築指針全般】No.4 2021年8月7日参照
※2 事業再構築指針の手引き1.4版 4ページ 2021年8月7日参照

再構築点②

②既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。

事業再構築補助金 公募要領(第3回)1.1版

審査項目の解釈・ポイント
  • 「必要性・緊要性の高さ」が、新型コロナウイルス感染症によって生じていることをていねいに説明します。事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症のマイナスな影響を乗り越えるための制度です。審査員に、既存事業の売上減少が新型コロナウイルス感染症との関係が弱いなどの評価を受けると点数が伸び悩む可能性があります。
  • 「深刻な被害」は、定量的(数字)で具体的に示します。例えば、売上を客数・客単価などに分解して、どの部分が新型コロナウイルス感染症の被害を受けているのか?などです。また、売上以外の深刻な被害には、固定費が大きい事業構造のため稼働率低下の影響が大きいことなどが考えられます。

再構築点③

③市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。

事業再構築補助金 公募要領(第3回)1.1版

審査項目の解釈・ポイント
  • 「市場ニーズや自社の強み」は、事業計画に示すSWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)の強みと機会のことだと考えられます。他の審査項目にも、事業化点①の「競合他社の動向を把握すること等を通じて考慮する市場ニーズ」、事業点④の「現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用すること」といった表現があります。このように「市場ニーズ(機会)」と「強み」は繰り返し問われています。新型コロナウイルス感染症によって生じた市場ニーズがあり、それに対して自社の強みを活かせば事業再構築を実現できるということを示す必要があります。
  • 『「選択と集中」を戦略的に組み合わせ』は、とても難しい表現だと思います。事業再構築補助金は、それなりの額の設備投資をした上で自社にとって新しいことが求められます。この表現が意図するところは、新しいことををはじめるからこそ既存事業も含めた「選択を集中」ができているか?というニュアンスだと思います。
  • 「リソースの最適化を図る」のリソースはヒト・モノ・カネ・情報といった一般的な経営資源を指していると考えられます。上記の「選択と集中」の結果、リソース(経営資源)の最適化が図られているか?が評価基準になるかもしれません。なお、「図る」という言い回しには、中長期的なニュアンスも感じられます。補助事業終了後の事業化段階まで意識して記述するといいかもしれません。
  • この審査項目は、事業化点にあったとしても違和感がありません。再構築点の項目になっていることから、事業再構築指針に沿った取組みをした上での「リソースの最適化」が評価される可能性があります。

再構築点④

④先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。

事業再構築補助金 公募要領(第3回)1.1版

審査項目の解釈・ポイント
  • 先端的なデジタル技術という言葉に明確な定義はありません。経済産業省が推進しているDX(デジタルトランスフォーメーション)に関連する技術が幅広く意図されていると考えられます。
  • 「自社にとっては当たり前の技術」でも、審査上では先端的なデジタル技術として評価対象になる可能性があります。デジタル技術を活用した事業計画では積極的に活用のメリットや特徴を記述しましょう。
  • 新しいビジネスモデルの構築は、事業再構築補助金で取組む事業そのものを指していると考えられます。
  • 「地域のイノベーションに貢献」は、事業再構築で取り組むことが「地域にとって新しいこと」であり、地域に何らかの貢献できることがあれば評価対象になると考えられます。事業再構築の取組みによって、雇用が増える・地域の生産者から仕入れが増える等、小さなことでも必ず事業計画で示すべきです。
  • 地域に明確な定義はありません。事業内容によって都道府県レベル・市区町村レベル・半径500m商圏など、いずれも「地域」になり得ます。

他の審査項目・加点項目

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