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【事業再構築補助金】加点項目について解説

事業再構築補助金 加点項目の開設

事業再構築補助金(第5回申請受付分)の加点項目について認定経営革新等支援機関の中小企業診断士が解説しました。加点項目は、要件を満たしている事業者が申請すると「加点」される項目のことです。単純に審査上有利になります。

事業再構築補助金の加点項目

加点項目①

①令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021年1月~9月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で30%以上減少していること。(又は、令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年1月~9月のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で45%以上減少していること。)

事業再構築補助金 公募要領(第5回)1.0版

加点項目の解釈・ポイント
  • 緊急事態宣言特別枠に申請しなくても、要件を満たせば加点を受けられます。
  • 売上高では要件を満たさなくても付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)では要件を満たす場合があります。必ず計算することをおすすめします。
  • あくまでも緊急事態宣言の影響で売上や付加価値額が減少していることが要件です。単純に売上や付加価値が減少していれば対象になるわけではありません。
  • 月次支援金の申請をしている場合は本加点項目の対象になる可能性が高いです。
  • 加点を受けるには「緊急事態宣言の影響を受けたことの宣誓」を添付が必要です。また、公募要領に記載がある通り証拠書類の保存が必要です。
  • 比較期間は前々年=2019年1月~9月でもよいです。2020年1月~9月では売上30%以上または付加価値額45%以上の減少にならなくても、2019年との比較では要件を満たす可能性があります。
  • 緊急事態宣言が発出された地域以外でも緊急事態宣言の影響で売上が減少している場合は加点される可能性があります。例えば、ホテル・旅館業でで、緊急事態宣言が発出された地域からの宿泊客の売上が30%以上減少した場合などは対象になる可能性が高いでしょう。

加点項目②

②上記①の条件を満たした上で、2021年1月~9月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同期間に受給した協力金の額を上回ること。

事業再構築補助金 公募要領(第4回)1.0版

加点項目の解釈・ポイント
  • 固定費の定義が明示されていることに注意してください。家賃、人件費、光熱費等の固定契約料の合計です。社内の管理会計等で使用している固定費とは異なります。
  • 協力金とは、時短営業や休業要請に伴い自治体等から給付されたものです。月次支援金等は含みません。

加点項目③

③指定の要件を満たし、最低賃金枠に申請すること。

事業再構築補助金 公募要領(第5回)1.0版

加点項目の解釈・ポイント
  • 最低賃金枠に申請する事業者のみ対象になります。他の枠に申請する場合は対象外となる項目です。

加点項目④

③データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行う EBPMの取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。

事業再構築補助金 公募要領(5回)1.0版

加点項目の解釈・ポイント
  • EBPMとは、Evidence-Based Policy Making(エビデンスに基づく政策立案)のことです。詳しく知りたい方は、経済産業省が所管する独立行政法人経済産業研究所(RIETI)のウェブサイトが参考になります。
  • すごく単純にいえば、事業再構築補助金は本当に効果があったのか?等を分析する情報を継続的に提供してくれるなら加点しますよ、という意味です。
  • ミラサポplus「電子申請サポート」から事業財務情報を提供することになります。おそらく数年にわたり情報を入力することになるでしょう。
  • 本項目の加点を希望するときは電子申請の際にチェック(下記図)するだけです。ほとんどの事業者がチェックを入れて申請するでしょう。
  • 「採否に関わらず」なので、不採択の場合でも継続的な情報提供の義務が生じます。

EBPMの電子申請画面

加点項目⑤

③「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(https://www.biz-partnership.jp)において宣言を公表している事業者。(応募締切日時点)

事業再構築補助金 公募要領(5回)1.0版

加点項目の解釈・ポイント
  • パートナーシップ構築宣言とは、事業者が「発注者」の立場からの取引方針を宣言する取組みのこと。代表者名で「サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携」「振興基準の遵守」に取り組むことを宣言します。
  • 2020年5月の「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」で導入が決定した制度で、約2600社が宣言をしています(2021年10月)。
  • 企業規模・形態(法人・個人事業)を問わず宣言できます。
  • 申請はパートナーショップ構築宣言のウェブサイトから行います(2021年10月時点)。GbizIDを利用した電子申請ではありません。
  • 事業再構築補助金(第5回)に応募申請するほとんどの事業者が宣言をすると思われます。ただし、そもそもは補助金の加点のために創設された制度ではありません。宣言が形骸化しないようにご留意ください。
  • 本項目の加点を希望するにあたり書類の添付は必要ありません。EBPMの加点と同様に、電子システムにチェックを入れるだけです。

加点項目⑥

⑥中小企業再生支援協議会等から支援を受けており、公募申請時において以下のいずれかに該当していること。(1) 再生計画等を「策定中」の者(2) 再生計画等を「策定済」かつ公募終了日から遡って3年以内に再生計画等が成立等した者

事業再構築補助金 公募要領(5回)1.0版

加点項目の解釈・ポイント
  • 中小企業再生支援協議会とは、借入負担が重く経営の見通しが立たない企業の事業再生を支援する公的機関です。そこで再生計画を策定中等の一定要件を満たすと加点対象になります。
  • 中小企業再生支援協議会の活動実績を踏まえると、この加点項目の対象となる企業は非常に少ないと思います。その分だけ加点対象になるなら有利になりやすいとも考えられます。特に過去に事業再生の支援を受けたことがあり、該当し得る場合は必ず確認してください。

他の審査項目・加点項目

他の審査項目と加点項目については下記のページからご覧になれます。