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儲かったら納付が必要?持続化補助金の収益納付を解説

持続化補助金 収益納付の解説

持続化補助金の収益納付について中小企業診断士が解説しました。収益納付の意味や計算の方法などをご覧になれます。公募要領で収益納付のことを読んで、「補助金を使った事業で儲かった分を返すの!?」と不安に思っている事業者様に役立ちます。

収益納付とは?

収益納付について持続化公募要領に次のような記載があります。

「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」等の規定により、補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)の結果により収益(収入から経費を引いた額)が生じた場合には、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を国庫へ返納していただく場合があります(これを「収益納付」と言います)。本補助金については、事業完了時までに直接生じた収益金について、補助金交付時に、交付すべき金額から相当分を減額して交付する取扱いとなります。令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>【公募要領】第12版

大まかにいえば、補助事業の期間中(≒補助事業実績報告書を提出するまで)に、補助金の交付を受ける事業から直接生じた収益(売上-経費)は返納してください、という意味です。ただし、後述するように単純に収益の全額を返納する制度ではありません。

収益納付のイメージ図

直接生じた収益金の例

公募要領の通り収益納付に該当するのは「直接生じた収益金」です。直接発生した収益金にあたるかは、補助金を使ったことと収益の因果関係がはっきりしているかどうかで判断されます。

該当例

公募要領には収益納付に該当する例として、次の1~5が書かれています。

  1. 補助金を使って購入した設備で生産した商品の販売・サービスの提供による利益(機械装置等費等が補助対象の場合)
  2. 補助金を使って構築した自社のネットショップ(買い物カゴ、決済機能の付加)の活用での販売や、他社の運営するインターネットショッピングモールでの販売による利益(広報費が補助対象の場合)
  3. 補助金を使って実施または参加する展示販売会での販売による利益(展示会等出展費等が補助対象の場合)
  4. 補助金を使って開発した商品の販売による利益(開発費等が補助対象の場合)
  5. 販売促進のための商品PRセミナーを有料で開催する場合に、参加者から徴収する参加費収入(借料等が補助対象の場合)

令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>【公募要領】第12版

補助事業の期間中に補助対象経費として申請した機械で作った製品が売れたなど、因果関係がはっきりしているときだけ収益納付に該当します。

該当しない例

一方、収益納付に該当しない例として、次の文章が書かれています。

なお、「商品の生産やサービスの提供に直接関わりをもたない備品の購入」、「チラシの作成や配布」、「ホームページの作成・改良(ネットショップ構築を除く)」、「広告の掲載」、「店舗改装」などは、収益との因果関係が必ずしも明確でないため、ここでいう「補助金により直接生じた収益」 には該当しないと考えます。令和元年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<一般型>【公募要領】第12版

これらは、因果関係がはっきりしないので該当しません。チラシ配布やホームページ作成で来店は増えるかもしれませんが、「チラシ配布により、来店数が○○人増えて、その売上が○○円だった」ことを計測するのは難しいからです。

収益納付のシミュレーション

収益納付の計算方法は、持続化補助金事務局の採択者向けページにある「収益納付に係る報告書」から確認できます。ここでは、低感染リスク型ビジネス枠で通販サイトをつくった場合を想定して計算例を解説します。

金額 計算方法
A:補助金額 900,000円 コロナ特別対応型の補助率4分の3のケースなので、B:補助対象経費×4分の3で900,000円になります。
B.補助対象経費 1,200,000円 補助対象経費の合計です。補助率を掛ける前の数字です。
C.補助事業に係る売上 600,000円 補助事業によって直接生じた売上です。補助金で作った通販サイトから発生した売上が該当します。
D.収益額 350,000円 C.補助事業に係る売上から、製造原価や販売管理費を差し引いた金額です。要するに利益のことです。このケースでは、製造原価と販売管理費が250,000円として計算しています。
E.控除額 300,000円 収益額から控除される金額を計算します。B.補助対象経費から、A.補助金額を差し引いた額
F.納付額 37,500円 収益納付する金額を計算します。(D.収益額-E.控除額)÷(A.補助金額÷B.補助対象経費)です。

このケースなら、補助事業の期間中に60万円の売上があり35万円の利益があったとしても収益納付すべき額は37,500円です。少し計算は複雑ですが、利益がでた分だけ補助金が減額されるわけではないことはイメージできると思います。また、収益納付があったとしても事業者の利益が大きいこともわかります。

なお、表中の「D.収益額」を計算する製造原価や販売管理費については根拠を記載する書類はありません。通販サイトの場合の販売管理費では、ページの更新、問合せ対応、発送業務などにかかった人件費を合理的に計算して販売管理費に含めることができます。

補足

収益納付を少なくする方法はあるか?

補助事業の内容によっては、補助事業が終了したら速やかに実績報告書等の手続きをすることで収益納付を発生させないことができます。

例えば、補助事業でテイクアウトの注文受付サイトを作成した場合、補助事業期間中にそのサイトから注文があれば収益納付が発生する可能性があります。収益納付は補助事業の完了時までに発生した分が対象なので、テイクアウトの注文受付サイトが完成した段階で実績報告が完了すれば、それ以後に注文はあっても収益納付には該当しません。

申請時に収益納付が発生するかわからないときは?

持続化補助金の申請書類に、補助事業に関して生ずる収入金に関する事項に収益納付が発生するかどうかを記入する欄があります。

申請時にわからないときは、「いいえ」に○をします。その上で、実績報告の際に収益納付が発生したときには申告します。