はじめにお読みください
- 静岡県が公募している小規模企業経営力向上事業費補助金(令和7年度、2025年度)についてのページです。
- 「架空の事業者(小さな本屋さん)が、小規模企業経営力向上事業費補助金に応募する」という設定で作成した、経営ビジョン(様式第2号)・事業計画書(様式第3号)・収支予算書(様式第4号)・経費配分書(様式第5号)の記入例をご覧になれます。
- 申請様式の流れに沿って、経営ビジョンや事業計画書などの書き方をイメージできる構成にしています。一部、現実には考えにくい設定としている箇所があります。
- より良い事業計画等を策定していただくための参考にしていただくために提供しています。ご自身の判断と責任においてご利用ください。
経営ビジョン(様式第2号)
2.事業概要
(1) 現在の事業の内容
2-1.当店について
カワウソA書店(以下、当店)は、静岡県浜松市中央区にある書店です。2016年に店主の鈴木B枝が開業しました。親戚から譲り受けた古民家を改装した約35坪の店内に、自然科学・文学・絵本を中心に約3,500冊の書籍を取り揃えております。
2-2.商品・サービス
主に前述の分野の新刊を販売しております。新刊の販売が売上高の約70%になります。他に、各分野の専門家の方などを招いてのイベントの売上が約20%、浜松市内のデザイナーやハンドメイド作家が作成したグッズなどの販売が約10%となっております。なお、書籍の大半は取次会社のC株式会社から仕入れております。
2-3.顧客
当店のある浜松市内にお住まいのお客様が80%ほどです。年代は30代~50代の方が中心で、男女比は半々です。残りの20%ほどは浜松市以外の静岡県西部エリア全域や愛知県豊橋市から来店くださっています。
2-4.組織
代表者と、代表者の妹(佐々木D香)の2名で店舗を運営しています。他に従業員はおりません。
2-5.今後の展望
お客様がリラックスして本との時間を過ごせるように、店内のレイアウトを一部変更して店内でコーヒーの提供をはじめることを計画しています。つきましては、次項の「(2)自社の強み・弱み及び環境についての分析」は、【現在の事業】は書店のこと、【新しい事業】はコーヒー提供のことを記載いたします。
(2)自社の強み・弱み及び環境についての分析
自社の強み | 自社の弱み |
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【現在の事業】 ○ 当店の選書や本の紹介の方法が評価されていること
○ イベント開催を通じて、いろいろな人とのつながりをもっていること
【新しい事業】 ○ コーヒーに詳しいスタッフがいること
○ テイクアウト需要が期待できる場所に立地していること
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【現在の事業】 ○ 小規模書店なので、様々なニーズには対応できないこと
○ 本から得られる利益が固定されていること
【新しい事業】 ○ 飲食料品を提供する経験がないこと
○ ブックカフェとしての認知はゼロであること
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業績によい影響を与える外部環境 | 業績に悪い影響を与える外部環境 |
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【現在の事業】 ○ 国による書店に対する振興策の検討など経営を支援する動きがあること。
【新しい事業】 ○ コーヒーの支出額が増えていること。
○ 喫茶代の支出額も増えていること。
※1 二人以上世帯。 |
【現在の事業】 ○ 本への支出額が減少していること
○ 図書館の貸出冊数が減少していること
【新しい事業】 ○コーヒー豆の輸入価格高騰が続いていること
※1 二人以上世帯。 |
3.今後の経営の方向性・方針
3-1.経営の方向性
当店は、「たくさん人がかかわって時間をかけてつくられる‘本というメディア’との出会いを提供することで、誰かの人生の分岐点に寄り添いたい」という思いで開店しました。今後も、この考え方は変えずに長くお店を続けていきたいです。加えて、今後の経営の方向性として、今よりもお客様がそれぞれのペースで本と向き合える場所になることを目指します。
3-2.経営の方針
上記の方向性の実現を目指すための方針として、まずは店内で自家焙煎のコーヒー豆を使ったネルドリップコーヒーの提供をはじめます。そのために、味わい深いコーヒーを提供するのに必要となるコーヒーロースター※1に投資を行います。ゆっくりと本を選びたいお客様にコーヒーを提供することを通じて、当店の新たな収益源とするとともに、お客様とのつながりをより深いものにしていきます。また、将来はコーヒー豆だけでの販売、お客様に合わせて選書した書籍とコーヒー豆を組み合わせたギフトセットの販売、マルシェなどへの参加なども検討しています。
この経営の方針が、当店の持続的発展に寄与する理由は以下の通りです。
- 当店のスタッフがコーヒーに詳しいという強みや、当店が所在する浜松市ではコーヒーの消費額が増えているという外部環境を踏まえたものだから。
- コーヒーという書籍とは異なる商品の提供は、書籍の販売には利益額に制限があるという弱みを補うものだから。
- 浜松市内では本を読む人が減っていることが示唆されるなかで、コーヒーの提供によって店内の滞在時間を長くして「本好きなお客様」とのつながりを強くすることに有効だと考えられるから。
※1 コーヒーロースターとは、コーヒー豆を焙煎(ロースト)する機械のこと。焙煎とは、生のコーヒー豆に熱と圧力を加えることで、コーヒー特有の香り・苦み・酸味が引き出されます。焙煎のやり方(浅煎・中煎・深煎など)によって、味わいが変わります。
区分 | 直近期 (R6年12月期) |
1年後 (R7年12月期) |
2年後 (R8年12月期) |
3年後 (R9年12月期) |
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売上高 (千円) | 16,167 | 16,276 | 16,820 | 17,038 |
営業利益 (千円) | 3,746 | 3,806 | 4,155 | 4,329 |
賃金引上げ (%) | – | – | – | – |
4.経営革新計画承認取得を目指す計画
(1) 経営革新計画承認取得目標年度 令和8年度
(2) (1)の目標に向けた3年間の計画
年度 | 内容 |
---|---|
令和7年度(補助事業年度) |
【経営革新計画に対する当店の認識】 「(2)自社の強み・弱み及び環境についての分析」で述べた通り、書店は減少の一途を辿っています。今後も書店として事業を継続していくには、 定期的に新しい挑戦に取り組む経営計画を策定することは重要で、その手段として経営革新計画の承認取得を目指すことは有効な機会と認識しています。現時点では、令和8年度の承認取得を目指します。 【補助事業年度の取り組み】 【取り組みの内容】 7~9月:補助事業に着手。コーヒーロースターの導入を行い、コーヒーの提供を開始します。また、ウェブ上でも告知を行います。 10月:10月には補助事業を完了できるようにします。 11月~3月:コーヒーの販売状況・コーヒーを注文いただいたお客様の一人あたりの滞在時間などのデータを記録しておき、次年度以降の販売計画に役立てます。 |
令和8年度 |
【経営革新計画の計画策定に向けた準備】 4月~6月:これまでに承認された静岡県の経営革新計画の状況を精査します。なお、本補助金の申請時点で確認した段階では、経営革新計画の承認を受けている書店はなく、経営革新のテーマに「書店」や「本屋」などが含まれる計画も0件でした(2021年4月~2025年1月の静岡県公開資料より)。 7月~8月:経営革新計画の電子申請の開始など制度変更の可能性を考慮して、その時点での経営革新計画の申請方法などを確認するために、経営革新支援窓口である浜松商工会議所に相談に伺います。 9月~12月:経営革新計画のテーマを決定します。現時点では次のような切り口から新規事業を検討しています。 1月~2月:経営革新支援窓口に相談に行き、経営革新計画の申請書の記入、ビジネスプランの作成方法等のアドバイスを受けます。特に、詳細な数値計画について不安があるため、現実的な計画になるように留意します。 3月:令和8年度の審査会に間に合うように申請します。 |
令和9年度 |
【参考:経営革新計画承認取得後のアクション】 前項の申請で承認された場合は、令和9年4月~5月頃の公募を見込む「中小企業等収益力向上事業費補助金」に申請。経営革新計画の内容の事業化が円滑に進むように取組みます。※当該補助金の制度が令和7年度と変わらないことが前提。 なお、本様式の<目標設定>の3年後(令和9年12月期)は経営革新計画の取組によって売上など増加する可能性があります。現時点ではどのような取組になるか未確定なため、目標値には反映しておりません。 |
事業計画書(様式第3号)
1.事業のテーマ(30字以内で簡潔に記入)
自家焙煎コーヒー豆を使用したネルドリップコーヒーの提供
2.事業の種類(どちらかに○)
( ○ )自社がこれまでに行ったことがないもの / ( )既存のものを大幅に改善するもの
3.事業の目的(どちらかに○)
( ○ )新たな需要の開拓 / ( )生産性の向上
4.事業の内容
内容 | 実施時期 | |||||||||||||||
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【全体像】 本事業の目的は「新たな需要の開拓」です。これまで行っていなかった飲食料品(コーヒー)の販売によって売上増加を図ります。間接的な効果として、店内でゆっくりと本を選べるようになることで来店頻度や本の購入点数が増加することを想定しています。 主な取組みは、業務用コーヒーロースター「Coffee Finding」を導入して、店内で美味しいコーヒーを提供できるようにすることです。また、本を選びながら(あるいは本に囲まれて)自家焙煎コーヒー豆を使ったコーヒーを楽しめるようになったことをソーシャルメディアなどで周知します。 【取組み内容】 ①:Coffee Findingの導入(補助対象経費として申請)
図 1 Coffee Findingの画像
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②:コーヒーの提供開始の周知(補助対象経費ではない)
【人的体制】 本事業計画の実施にあたっての社内外の人的体制は表1の通りです。本事業の開始にあたって、書店業務に加えてコーヒーの提供に関わる業務が純増します。当面は現在の運営体制で対応可能と考えておりますが、想定以上にコーヒーの販売が増えた場合は書店業務にアルバイトの採用を検討します。
【スケジュール】 本項目右側の「実施時期」は、交付決定時期が2025年6月末としたものです。導入予定の機種は受注生産となるため、発注から1ヶ月後の納品になります。交付決定後速やかに発注、7月中に店内のレイアウトを一部変更、8月上旬に納品・設置完了という流れを予定しています。 その後、浜松市に営業許可の申請を行い、9月上旬からコーヒーの提供を開始します。同じタイミングで、リリースサイト出稿などの施策を行います。 |
令和7年7月~9月 令和7年9月 |
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新しさのポイント(これまでとの違いを具体的に記入) 【これまでとの違い】 当店では、これまでにコーヒーを含む飲食料品の提供を店内で行ったことはありません。当店にとって新しい取組みとなります。これまでの事業との違いは表2の通りです。
【工夫・改善の内容】 本事業計画で特に工夫している点は、「コーヒー自体の品質」にこだわることです。家電量販店などで購入できるコーヒーメーカーで手軽に提供できるコーヒーではなく、コストや手間がかかっても自家焙煎やネルドリップを採用します。 当初から「選書に特徴がある小さな本屋さんが、自家焙煎したコーヒー豆を、ネルドリップでていねいに淹れたおいしいコーヒー」というイメージを形成できれば、事業の拡張性があると考えたからです。 拡張性とは、次の4点をのことです。
いずれも当店の売上・利益の増加に寄与します。 |
5.得られる効果
本事業の取組によって、令和7年12月期から令和9年12月期の合計で、売上が1,633,500円、売上高総利益が1,249,083円、営業利益が1,052,208円増加する効果があると試算しています。各年の推移は表3、売上高の内訳は表4の通りです。
令和7年12月期※1 | 令和8年12月期 | 令和9年12月期 | |
---|---|---|---|
売上高 | 108,900 | 653,400 | 871,200 |
売上原価 | 27,225 | 156,816 | 200,376 |
売上高総利益 | 81,675 | 496,584 | 670,824 |
減価償却費 | 21,875 | 87,500 | 87,500 |
営業利益 | 59,800 | 409,084 | 583,324 |
令和7年12月期※1 | 令和8年12月期 | 令和9年12月期 | |
---|---|---|---|
1杯あたりの単価 | 550円 | 550円 | 550円 |
1日あたりの提供数 | 3杯 | 4.5杯 | 6杯 |
月あたりの営業日数 | 22日 | 22日 | 22日 |
月あたり売上高 | 36,300円 | 54,450円 | 72,600円 |
年間売上高 | 108,900円 | 653,400円 | 871,200円 |
【算出根拠・補足事項】
- 売上高のうち、1日あたりの提供数については、当店の1日あたり来店数が53名(令和6年実績)のうち、6%~10%にご利用いただくことを想定した数値です。本事業の構想段階で、お客様22名のご意見を伺ったところ、コーヒーが苦手な1名を除いて「コーヒーが飲めるようになったら利用したい」という声をいただいております。一定の実現可能性がある数値と考えております。
- 売上原価は、令和7年が25%、以降はコーヒー豆の値上がりを想定して1%ずつ上昇するものとして試算しました。
- 減価償却費は、コーヒーロースター(取得価格:約70万円)を8年間で償却するものとして試算しました。
- その他の経費として考えられるコーヒーの提供に要する労務費や光熱費は当該事業に限った合理的な推計が困難です。本試算では考慮しておりません。
- 令和8年12月と令和9年12月は、コーヒー豆単品の販売や近隣の菓子店の菓子とのセット販売などで売上高が上振れする可能性があります。こちらも合理的な推計が難しいため、本試算では考慮しておりません。
- これまでに述べた通り、本の販売による利益率は22%です。本事業で期待できる約125万円の売上高総利益を得るには、約567万円分の本を販売する必要があります。当店の一冊あたりの販売単価は約1,700円なので、冊数に換算すると3,339冊分です。本事業で得られる利益は、当店のような小さな書店にとって大きなインパクトがあります。
収支予算書(様式第4号)
1.収入の部
区分 | 予算額 |
(予算額) | 比較 | 備考 | |
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増 | △減 | ||||
円 | 円 | 円 | 円 | ||
補助金 | 466,666 | ||||
自己資金 | 303,334 | 手元資金より支払います。令和7年3月末時点で現預金が約420万あります。財務面からみても、補助事業の実施に懸念はありません。 | |||
計 | 770,000 |
2.支出の部
区分 | 予算額予算額 |
比較 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
増 | △減 | ||||
円 | 円 | 円 | 円 | ||
機械装置等費 | 770,000 | 様式第3号中でご説明している、業務用コーヒーロースターのCoffee Finding(型番:000-J000)の購入費用です。 | |||
計 | 770,000 |
(注)予算額及び決算額は消費税込みの金額を記載する。
経費配分書(様式第5号)
費目 | 補助事業に要する経費① (消費税込み) |
補助対象経費② (消費税抜き) |
補助金充当額③ (②の2/3を上限) |
備考 |
---|---|---|---|---|
開発費 | ||||
機械装置等費 | 770,000 | 700,000 | 466,666 | 業務用コーヒーロースター: Coffee Finding (型番: 1000-J000) |
広報費 | ||||
展示会等出展費 | ||||
旅費 | ||||
借料・損料 | ||||
専門家謝金 | ||||
専門家旅費 | ||||
雑役務費 | ||||
資料購入費 | ||||
産業財産権等の導入経費 | ||||
通訳料・翻訳料 | ||||
委託費 | ||||
外注費 | ||||
計 | 770,000 | 700,000 | 466,666 |
ご相談受付
以下のご相談はこちらのフォームからご連絡ください。
- このページの例のような計画を策定したい事業者さま(小規模企業経営力向上事業費補助金への申請を検討している方)
- このページの例を申請支援業務で使いたい支援機関などのみなさま